いまさらながら、タップダンスシチーが生涯現役発言をしたことについて話そうか。
最初は「はぁ?!」だったけど、いまの競馬をよくよく振り返ってみれば、シンボリクリスエスがあのレースをして引退するように、引退の考え方が変わっている。上の世代VS下の世代という構図が少なくなってきているなぁと。
つまりは、レースで稼がずに、種牡馬になった方が稼げるという構図。最盛期に引退ともいえる。これは世界的にみると、正しいのかもしれないけど、その流れというのは俺的には決して喜ばしいとは思わない。
例えば、ナリタブライアン。ナリタブライアンが苦しんだ2年。そして、輝きを取り戻した阪神大賞典。そんなに簡単には種牡馬の価値なんて下がりはしないでしょ?大暴落とまではいかないし。そんなことを思っていたら、競走能力があるなら少しでも長く現役を続けてもらったほうがいいよなと思う。
たしかに、価値が下がるケースもある。たとえば、エアシャカールなどは種牡馬の価値が下がったかもしれないけどさ。でも、ちゃんとした評価をしたら、そうなっただけの話であって、それ自体は別に悪いことではない。
むしろ、早くに引退する馬は潜在的な部分が評価され過ぎている。これが間違いじゃないか?そういう潜在的な部分に期待しすぎる面が多すぎる。この過剰評価が馬主を助け、生産者にしわ寄せが来ている。
生産者が取るべき行動はその様なシンジケートを持つのではなく、日に当たらない種牡馬の中から、自牧場の中の繁殖牝馬とかけ合わせることだろう。もちろん、庭先取引なんかはできないかもしれない。ただ、トレーニングセールというシステムが日本に入ってきたのだから、そのシステムをうまく利用すべき。前にも書いたけど、ラムタラの購入資金は本当に使いどころを間違えたよ。
まとめとしては、資本主義で競争社会なのだから、仕方はないかもしれないけれど、そういう部分を踏まえて、引退の時期を考えたり、種牡馬の価値を考えるといいんじゃないかと思う。酷使という意味ではなく、やれるところまでやるというジャパニーズスタイル。これこそが牧場を救うと俺は思う。そうすると、今では佐々木晶調教師の競馬界に対するアンチテーゼみたいなものだろうと考えられる。深読みしすぎかもしれないけどね。
追記:
間接的ではあるけど関連記事
誰のために馬は走る (勝つまで辞めん!)