2004/6/30

ある種の非常識な騎手が勝つ

 「3コーナー?少し早いかなと思ったけど、あそこで行くのがタップの競馬。前(ローエングリン)の馬には悪いけど、それが勝負だからね。一瞬シルクにやられたかと思ったが、タップの頑張りは乗っている僕の方もビックリ。胸を張って凱旋門賞に行けます!」。佐藤哲騎手は早くも世界の最高峰レースに思いをはせた。

勝負にいく騎手はやはり、勝っても負けても応援していて気持ちがいいものだと思う。そんなレースが行われたのが、今年の宝塚記念。

前(ローエングリン)の馬には悪いけど、それが勝負だからね。

という言葉があるんだけど、競馬を見ている側からすれば「それは当然のことでしょ」みたいな風に思ったファンも多いのではないかと思う。この「前の馬に悪い」というような常識が中央競馬界に根付いていると思われる。そして、それが近年の外国人騎手の活躍、地方騎手の活躍につながっているような気がするのだ。

外国人騎手、地方騎手は中央にやってくるくらいだから、その腕も素晴らしいものを持っているのは確かなんだろうけど、何より騎乗依頼する調教師サイドからしてみれば、「しがらみ」がないのが高ポイントだろう。仮に、非常識なことをしても、騎手自身には影響はそれほどないし、調教師にしてみれば騎手へ責任をなすりつけられる。また、そういった非常識は勝利をもたらす。既存の騎手よりはそちらへと傾くのは当然の流れかなぁと思う。

そうした視点から競馬を見ると、少なくともGIなどの大きなレースでは常識にとらわれる騎手が勝ててないなぁと感じる。名前を挙げれば、あのトップジョッキーなんだが。最近ではマイネルマクロスが出遅れた皐月賞、ファインモーションでタップダンスシチーにあおられた有馬記念が印象的だろうか。どちらも、自分のミスについてを放棄していた気がする。

条件戦、オープン特別などはまだまだ常識が存在し続け、GIでは非常識な騎乗をする者が勝つ傾向に、これからも進んでいくだろう。それは去年や今年の武豊の成績が如実に表しているんじゃない?武豊がそういった常識を破るのに、もっとも最適な人物でもあると言うのは皮肉かもしれないけど。その常識を作ったのが武豊だとしたら、それこそユタカ・マジックなのかもしれない。

Byjan at 18:30 / Category: 騎手 / /1 Comments /20 TrackBack

2004/6/27

タップダンスシチーに一番期待しているのはJRA

宝塚記念、タップダンスシチー快勝 (netkeiba.com)
【宝塚記念】~レース後のコメント (ラジオNIKKEI | 競馬実況ホームページ)

今年の宝塚記念を制したのは佐藤哲三騎手騎乗のタップダンスシチー。展開を選ばない自分から動いての競馬でシルクフェイマス鞍上の四位騎手が「心の中で乾杯した」と勝利を確信したにもかかわらず、あのレース振りは圧巻であった。

さて、これでタップダンスシチーは日本にある両国際GIを制した初の馬になり (宝塚記念は2001年から国際GI)、名実ともに日本最強馬といっていいだろう。こうなると、凱旋門賞が楽しみになってくる。もちろん、勝利を期待しているのは言うまでもないのだが、宝塚記念の国際GIとしての役割向上である。

国際GIと銘打つくらいなのだから、海外からの参戦はどうしても期待してしまう。海外からの参戦を促すには、やはり宝塚記念馬には海外遠征をしてもらい、名前を売ってもらいたいとJRAは思っているはずである。もちろん、一時的に盛り上がりは欠けるかもしれない。ただ、ジャパンカップ・宝塚記念馬が凱旋門賞に挑戦することは遠い将来を考えれば、とてつもない利益が期待できるだろう。

現在、宝塚記念は国際GIとしての役割は果たされていない。タップダンスシチーが世界で活躍すれば、その地位は向上するだろう。そして、その先にみえてくるものがある。ドバイ・香港・シンガポールとのアジアサーキットを計画しているのなら、容易に進められるかもしれない。もしかしたら、ワールドシリーズ・レーシング・チャンピオンシップ (JRAホームページ)の仲間入りだって出来るかもしれない。

そうなってくれば、盛り上がりに欠けるといわれる(俺はそうは思わないが…)宝塚記念が面白くなるに違いない。JRAが得られるものは大きいのだから、全面バックアップしてもらいたいところだ。その形はどうあれ、タップダンスシチー陣営を勇気づけるものになるはずである。真の国際化は「まず隗より始めよ」である。

タップダンスシチーが海外遠征をすると日本の競馬界は寂しくなるが、タップダンスシチーは佐々木晶調教師によれば「10歳まで現役」なのだから、少しの間くらいなら我慢するよ。やっぱ、サラブレッドは走ってこそ、走らなきゃ夢が見れないよなぁなんてウインズの帰りにふと思ってたりしました。

2004/6/26

宝塚記念予想

気持ち良いほどにオッズが割れている。どの馬にもチャンスがありそうでオッズをみてうまそうなところを狙うのがよさそうだ。予想以上に長いので、先に言っとくと本命はタップダンスシチーです。

展開の鍵を握るであろうローエングリンから。鞍上はノリ。アンカツマジックと今年は言うが、ノリマジックがあってもいいくらい、GIで活躍しているイメージがある。その思い切った騎乗はアンカツに引けを取らない。大逃げから追い込みまで何をしてくるか分からない。最後の100メートルが弱いこともあり、後ろから来る可能性も十分に考える必要があるだろう。賛同してもらえたら、馬単2着付けで買うのをお忘れなく。

実績で言えばタップダンスシチーは抜けている。ただ、この馬は凱旋門賞が控えており、まだまだ余力残しかなぁと思う反面、それでも金鯱賞の内容を見れば余力残しだろうと、その強さは際立っているともいえる。自らも逃げることはできるが、今回は外枠ということで逃げるローエングリンをみながらの競馬もでき、ローエングリンが控えても自分で競馬ができ、展開面でもマイナスが考えにくく有利に立てるのも大きなポイントだろう。3連複の軸、あるいは複勝を買うならこの馬がお勧めなのは間違いない。

シルクフェイマス。前走の天皇賞は過程において不安があったらしいが、それでも3着。調子は前走以上のもが期待でき、今回は距離も守備範囲。何といっても、父マーベラスサンデーということで食指が動く。勝ってきたメンバーとの関係で評価されないようだが、オッズ次第では買っておきたいところ。複勝で3倍辺りが見込めればおいしい。

ゼンノロブロイ。
去年の同コースの阪神新聞杯を圧倒的なパフォーマンスで勝っており、4歳馬の中でもっとも中距離適性がある。

リンカーン。
前走は折り合いを欠き、武豊のミスといってもいい。ただ、有馬記念は2着。もちろん、9馬身という差もあるが、これはシンボリクリスエスが最高の出来で、リンカーンが菊花賞後で調子はよくて維持。これなら、十分に評価できるだろう。

ザッツザプレンティ。
馬体重が減り続けているらしく、高望みは厳しいか。ただ、鞍上はデムーロ。一発があるかもしれない。デムーロの調子次第で切る。

ツルマルボーイ。
一か八かの思い切った騎乗が売りのアンカツ。今回は目をつぶって切ります。大阪杯も来なかったしねぇ。

チャクラ。
マヤノトップガン産駒。ここに出走するのはプリサイスマシーンかなぁと今年の頭は考えていたのに。成績自体は悪くないが、距離がどうか。

さて、ダービーレグノ。穴馬ならこの馬を推薦したい。ダービーレグノの成績 (keiba@nifty)は前回みてもらった。よくみると、幸騎手以外が乗ったときに好走しているのだ。近走に限ってだけれど。乗り代わりはむしろプラスに働く。鞍上は伸び盛りの秋山。初GIも夢じゃない。有馬記念もリンカーンから0秒4差。実力は十分にある。この馬の馬券はとても面白いものになるだろう。

他の馬も一応チェック。

トレジャー。
GIまでの力はないとか言うと、ダービーレグノは?なんて声も出てきそうだが、オリヴァーで買いたくないです。ダメ?

サイレントディール。
帝王賞が除外でこのレースに。ただ、別にプラスもマイナスもゼロ。夢を見たいなら買うのもあり。

ダイタクバートラム。
ハイペースになれば飛んでくるかもしれない。買うなら後ろから進む馬との馬連、ワイドで。

メイショウドメニカ。
雨が降れば検討しても良いかもしれないが、ここでは厳しい。

スティルインラヴ。
俺の中での年度代表馬。前走は休み明けで度外視すれば十分期待できる。上がりも33秒5を持っており、なかなか面白いかも。

ホットシークレット。
使うレースが無く、宝塚記念に登録といった印象。スタミナが売りなのに前走はバテていたか?成長も期待できない。ローエングリンが出遅れたり、後ろから行けば一発もある…わけないよなぁ。

別に全部見る必要なかったなぁ。展開で左右されないであろうタップダンスシチーの複勝を買いたい。前日オッズ1.5倍~。あとはワイドでシルクフェイマス、ダービーレグノを少し絡めて。正直、絞るのが厳しくて、トリガミになるなら複勝中心が面白い。あとはこの暑さ。去年の宝塚記念や夏を経験している馬は少し評価を上げても良いかもしれない。

福島テレビオープンも前を行く馬が少なく、展開面で恵まれるマチカネアカツキで面白そうだが、あえてロードフラッグがノーマークで残ると予想。休養前とはいえ、アカツキの勝ちきれなさを入れて馬単2着付けも面白いんじゃない?

タップダンスシチー 複勝100
ロードフラッグ 複勝100
ここまでの複勝で勝負。
的中率50%(1/2)
総投資額200
総回収額160
回収率80%

追記(21:00)

タップダンスシチー 1着 150円
ロードフラッグ 3着 220円

複勝で勝負通算成績
的中率75%(3/4)
総投資額400
総回収額530
回収率132.5%

福島テレビオーピンを振り返ると、スローペースは予想どおり。ただ、前を行くロードフラッグが抑える競馬をやるとは思わなかった。スローペースなのだから、もう少し積極的な競馬をする騎手はいない者か?馬券が当たっても納得できないレースであった。まさかのミツアキサイレンスはどうやら芝のがよさそうで、次は斤量が減ったところを狙ってみたいが、実際こわくて買えない (笑)

これで的中率が75%。外れたのも4着だし、前もって予想すると当たらないと思っていたんだが、案外いけそうだなぁ。GI以外にも前もって予想しようかな。

宝塚記念はじゅうぶん面白い

ブログ界隈でもっとも熱いのが、「宝塚記念」の話題でしょうか?少し遅れをとってるけど。個人的には、去年の宝塚記念は非常に面白く、GIレースとして十分に成立している気がする。去年の記事ですが、

29日の宝塚記念が行われた阪神競馬場の入場人員は7万6944名(前年比135.2%)、宝塚記念の売り上げは270億2万3900円(同149.8%)とそれぞれ大きくアップした。佐藤忠正・阪神競馬開催投票委員は、「年度代表馬や3歳ダービー馬などGI馬6頭をはじめ豪華メンバーによる出走が大きな話題を集めたことが良かった。出走頭数17頭は宝塚記念レコードだった。また昨年の売り上げが200億円を下回る大幅減(180億円余)だったことも大幅増の理由の一つ」と説明。前年の売り上げを大きく上回った例としては、最近では平成13年の天皇賞・春の前年比が138.0%がある。

売上をみれば、十分に盛り上がっているといえるはず。何で盛り上がったといえば、豪華メンバーだったということが挙げられる。去年で言えば、前年代表馬シンボリクリスエス、2冠3歳馬ネオユニヴァースの参戦が大きかったということだろう。

それでは、今年はどうか?去年よりはやや盛り上がりに欠けるかもしれないが、十分に面白いものが見れそうな気がする。今年に関していえば、ネオユニヴァース、そして順調なら出走予定すると思われるサクラプレジデントが故障で抜けたのが痛かっただろう。この2頭の故障の原因は積み重ねられた疲労があると思われる。前者は去年の宝塚記念。後者は夏も十分に休養をとらず、菊花賞、ジャパンカップと適性外のレースへの出走などが頭に浮かぶ。そう考えると、秋競馬と切って離せない。春先に無理をしなければ、おそらくはレースレベルは他のGIと遜色はないでしょう。

秋競馬を考えると、少し前の天皇賞 (秋)も似たようなものかなぁと思う。天皇賞 (秋)は一昔前までは3歳馬のローテーションの中にはなかったのだけれど、そういった3歳馬が出ることによって盛り上がってきていると感じる。たぶん、宝塚記念と天皇賞 (秋)の出走メンバーのレベルはそれほど違いはなく、天皇賞 (秋)に不要論という声が出ないのは「格」ではなくて「ギミック」の面で天皇賞 (秋)が優れているんだろうなぁと思う。ジャパンカップは世界との闘い、有馬記念は3歳馬を加えての総決算として機能している。

天皇賞 (秋)の例を考え、3歳馬の参戦のメリットは大きいと考えれば、開催時期をずらしたのは評価していい。加えて、国際GIにしたことも殿下。の言うところのアジアサーキットであったり、これからの広がりを考えれば悪くない。でも、海外から馬が来ないのは名称が悪いようなのが一番の原因かなぁとも思う。ジャパンカップは開催時期もあるけど、名称は日本で一番名誉ある(名誉じゃなくてもいいですが)レースだろうって分かりやすいし。宝塚記念ねぇ…何を決めるかが分からないような。国際GIとして機能させたいならサマーJC宝塚記念にでもしたらどうですかね?

Byjan at 03:20 / Category: JRA / /0 Comments /222 TrackBack

2004/6/24

秋山真一郎GIに参上

さて、宝塚記念。個人的に注目したいのは、秋山真一郎騎手です。メイショウキオウ、メモリーキアヌで中京重賞を今年は勝っており、いかんせん裏開催でのイメージが先行している感じ。中京の適性を掴んでいて、表開催では買えない。と思っている人も多いはず。秋山騎手の魅力はローカルを手中に入れていることではなく、勝ちに行く積極性じゃないでしょうか?メイショウキオウは逃げて、メモリーキアヌは早め先頭で。いずれも積極的なレースが勝利を呼び込んでいると言っても過言じゃない。

となると、宝塚記念でのダービーレグノでの騎乗はとても楽しいものになる気がする。ダービーレグノの成績 (keiba@nifty)をみると大崩れすることなく、着実に人気通り、あるいは、人気以上に走っている頑張り屋な馬である。距離もマイルから天皇賞まで、宝塚記念はこの馬のためにあるといってもいいかもしれない。ただ、調教のタイムを見ると好調とはいえない感じで微妙なところ。さすがに厳しいか?

正直言えば、これを機にGIにたくさん乗ってほしいなぁと、迷ったら秋山の複勝を買っている俺の楽しみ。ローカルがうまいんじゃなくて、技術が素晴らしいことを少しでもみせてくれたらと思う。一応、応援馬券でも買っておこうかと思いますが。

Byjan at 18:47 / Category: 騎手 / /0 Comments /5 TrackBack

2004/6/22

まずは「国際化」から始めよう

コレに関しては、「やらないよりはまし」という思いも個人的にはありますが、少なくとも生産者に「こういうメリットがあるから開放すべきだ」というには微妙に弱いには違いないでしょう。

コレというのは国際化を指すと思うんですが、生産者からしてみれば短期的なメリットはあるようには思えないのは確かでしょう。ただ、長期的に見ればメリットが享受できるだろうと考えている。それは「生産者のためにはならない?」でも書いたようなことが挙げられる。少なくとも、国際化が進んだ中でヒシミラクルのような馬が現れれば、いまのヒシミラクルよりは評価されるんじゃないかなぁと考えるのは短絡的かもしれないが、いまよりは国際的に、あるいは、生産者にも評価をされるでしょう。そういった趣旨で国際化すべきだろうと俺は思うのです。ただ、国際化すればそれでいいとは思っていない。

 来年度から外国産馬(マル外)、外国馬(カク外)の出走できるレースがJRAで大幅に増えることが15日、本紙の取材で分かった。日本競馬のグレードアップを目指すJRAの施策で、マル外の5大クラシック出走頭数制限の撤廃案などを国際化計画案に盛り込む方針。予想される生産界からの反発を前に関係者への主旨説明に奔走している。

あくまで国際化計画案の一部であると推測され、生産界にも享受できるようなメリットなどを盛り込むのではないかと考えられる。そう考えたのが、「生産の本末転倒」であり、有芝まはる殿下。が述べていた馬主拡大の策も段階的に入るのではないかと睨んでいる。JRAはおそらくは売上が重要なわけで、売上のためなら出来ることはやろうという姿勢が今回の計画案にある。仮に、今回の計画に盛り込んでなくとも (その可能性のが高いのだろうけれど)、近い将来そういった方向での対策は打ち出されるはずだろう。とりあえずは、国際化しようという姿勢は評価すべきだと考えている。きっと、その上で問題が生まれれば直すでしょう。

Byjan at 21:45 / Category: JRA / /32 Comments /52 TrackBack

2004/6/19

生産の本末転倒

10年で44%減少した種牡馬 (netkeiba.com)
メジロライアンの種牡馬評価 (昨日の風はどんなのだっけ?)

良くも悪くも人気商売だから仕方ない…ということもできるんだが、そういう構造になっているのが原因ではないか?「え?どういうこと?」というと、生産の現場は、いわゆる走るであろう仔・良血馬が売れるという現状がある。これ自体は正しい。ただ、それが実力を判断してのものではなく、期待込みの人気商売になってしまっている。

生産者の目的はレースに馬を生産することが目的だと思うのだが、どうも売れる馬を生産することに熱心になっているような気がする。これはイコールじゃないの?と思う人もいるとは思うけれど、違うのではないかと思う。レースに勝てる馬を生産すれば、その生産者は評価され、その強い馬の弟妹には高評価が与えられる。

ただ、そのような強い馬が生まれていない生産者にとっては人気のある種牡馬を交配せざるを得ない。まずは、売らなくてはならないのだから。そうなると、内国産にもいい馬がいるが、同じ血統の外国産種牡馬ブランドに頼らなくてはならなく、内国産の種牡馬は能力があっても併用停止になってしまう。もちろん、内国産を評価して交配する生産者もいるだろうが、それはオーナーブリーダーであったり、余裕のある人に限られてしまう (そんな生産者はいないだろうが)。

レースに勝てる馬の生産者も同様に、さらにブランド力のある種牡馬をつければ、より高い値で売れるのだからブランド力のある種牡馬へ移行してしまうだろう。そうなると、内国産種牡馬のとる道は標準以下の繁殖牝馬であったり、もしくは、種付けすらできなくなってしまうのではないだろうか?

それなら、どうすれば良いかと言えば、人気商売を実力主義にしてしまえばいいのだ。いまの生産者の主な収入源は仔馬を売ることが中心で、レースに走る馬を生産して売るということだろう。端的に言えば、賞金の20%を生産者に充ててしまえだ (生産者賞は廃止して)。この際には調教師も10~15%にして、馬主の割合を50~60%に落として、預託料を半分近くにするのが望ましい。

これで、どういうことになるかというと、高く売れる人気のある馬を生産するより、走る馬を生産するしかなくなる。この状況では、馬を馬主はその投資したお金を回収できないから高くは買えない。そして、生産者も同じように売ることによっては回収できないから、走る馬を生産しなくてはならない。調教師は預託料が半分になり、ますますの実力主義になる (馬主の負担を減らすという意味もあるが)。

結果的にはそれぞれの収入はおそらく変わらず、目的を失った人気商売でなくなると思う。これならば、内国産種牡馬も競争に参加できると思うんだが、どうだろう?結果を出しても人気が出ない現状は、いかがなものでしょうか?

2004/6/16

生産者のためにはならない?

世界で最も活況を呈している競馬大国が、マル外、カク外に対する出走制限があるばかりに英、仏、米などの先進国に国際的評価の上で肩を並べられないというのも実はおかしな話だ。

国際的評価が上がれば、外国馬が来てくれるなんて言うのはおかしな話だ……とも捉えられる。まぁ、そこは別に問題にしたくないので、生産界からの反発についてちょっと触れてみる。生産界からの反発というのは、おそらく今のままでも経営は厳しいのに、そこに外国産馬、外国馬の出走レースが増えるなんてたまったもんじゃないという趣旨でしょう。

うーん、逆じゃないか?外国からの種牡馬を輸入することによって、日本にはない血を導入する。これは正しい。血の袋小路に陥る危険性があるし、いいものは取り入れなくてはいけない。じゃあ、外国へ種牡馬を輸出することはあるのか?あるにはあるが、期待はずれに終わった馬が多く輸出されている。輸入する種牡馬よりも、価値を低く見られてであろう。この部分が今回の計画により、正常な価値での取引につながるのではないか?

つまり、どういうことかというと、世界の名馬と名勝負をした馬は評価をされる。そう単純なものではないが、日本でのそういうレースを経て、海外へ挑戦・参戦ができるのではないかということだ。タップダンスシチーなんてその例にあたる (勝つかどうかは別だが)。そういったチャンスを増やす流れが生まれることによって、日本の血というものが評価されるはずである。

たとえば、サンデーサイレンス産駒がエルコンドルパサーのように、海外で好走をしたとすれば、そのサンデーサイレンスの血というのは高く評価され、価値が高まり海外への輸出も容易になるだろう。まぁ、日本人が有り難がって出さない状況も考えられるが、良い方向に進むのは間違いない。

日本のレベルというものが世界へ伝わると意味では今回の計画は歓迎である。日本のレベルというものが評価されれば、内国産種牡馬を輸出することが可能になる。種牡馬の廃用・併用停止が多いわけなんだけど、そういった馬の人生の手助けにもなるんじゃないかな?

また、別の観点から見れば、世界へ市場を開くこともできる。海外への積極的な遠征によって、日本のあの血統はヨーロッパで走るぞということになれば、仮に日本の土が合わなくてももらい手が生まれる。そういう風には現時点では見られるケースは少ないわけでそういうチャンスが増えるのなら歓迎すべきである。逆に、外国産馬が勝つケースが目立つのなら、自分で買って稼げばいい。何でも保護をすればいいってもんじゃないと思いがあるから、こんなことを思うのかもしれないが。

2004/6/15

思わぬチャンス

★宝塚記念のゼンノロブロイの鞍上が田中勝春騎手に決定、オリヴァー騎手はトレジャーに騎乗(デイリー馬三郎より)

ロイスさんも言っている通り、オリヴァーに嫌気が差したんでしょう。オリヴァーの成績 (keiba@nifty)をみても人気とかみ合っていないし、さすがに堪忍の緒が切れたっぽい。外国人騎手にはついつい期待をかけてしまうものだけど、全員が全員、日本に合うとは限らないわけだし。藤沢厩舎の弱点はここらへんにあるのあるのかなぁ、実は(笑)

ただ、ゼンノロブロイも鞍上がよく変わる。実際、この馬はポテンシャルは相当のモノを秘めているのは間違いないところで、今回もないなぁとか思って買うのをやめる人もいそう。ここでいい騎乗をしたら、秋も乗せてくれる約束をしてくれるといいいんだけど、勝ったら勝ったでペリエに奪われるというモチベーションの上がらない状況とも考えられる……そこら辺は百も承知だろうから、失敗覚悟で思い切り乗ってくれると宝塚記念が面白くなるなぁ。それで、藤沢厩舎の主戦騎手になったら、あら不思議なのですが。

Byjan at 22:27 / Category: 騎手 / /255 Comments /14 TrackBack

2004/6/12

これから認定厩舎制度は上手くいくのか?

そんなに詳しくはないのでぱっと感じたことを書いた感じですが、認定厩舎制度はどうなのかを考えていきたいなと思う。ほんとに適当に思ったことなので。

社台グループの牧場が認定厩舎に (netkeiba.com)
札幌2歳OP戦、SS産駒モエレフェニックス快勝 (netkeiba.com)

コスモバルクを輩出した認定厩舎制度 (外厩)。それに続けとばかりに社台も参入してきており、受け容れの調教師たちも歓迎ムードなんでしょうか?

ここで問題となってくるのが空洞化が起こるのではないかということ。外厩を利用する馬はコスモバルクのように中央を視野に入れてローテーションを組むはず。そうなると、ホッカイドウ競馬内でのレースレベルの低下の恐れが出てくる。外厩で思い浮かべるのが、コスモバルクのローテーションなりだったりするわけだけど、実際には相当きつい遠征があり能力を発揮しきれる馬は多くはなさそう。コスモバルクはとりわけ身体が強そうな印象もあり、そう考えると、外厩に夢を描くのはなかなか厳しいと思う。

実際これはやってみて、統計・データなどをわからないが、輸送技術が進歩したとはいえ、美浦から関西へ、栗東から関東へも気を使うわけだから、ましてや、北海道から関東へなどは馬に厳しすぎるだろう。札幌、函館をメインに考えるならまだ理解できるが、そのような馬が果たしているだろうか?

遠征の影響などでちょっと足りない馬などは、中央への転厩も考えられるわけで、結局、外厩がもたらすものはメリットよりデメリットのが多くなるような気もしてくる。コスモバルクのときは調教師が断り続け、田部調教師に行き着いたというエピソードがある。このとき、断った調教師たちはそれなりの理由があって断ったはずなのだが、その理由を見失っているような…。

外厩は名義貸しの部分は否めないわけだし、コミュニケーションが重要になってくるハズ。厩舎運営に大きな影響を与えるという意味において、中央への転厩などの問題が円滑に進むとは考えにくいし 。強い馬は中央へ遠征し、ホッカイドウ競馬では走らないケースも考えられる (たとえば、いまのコスモバルク)。このままじゃ、利用されるだけな気もする。認定厩舎制度を発展させていく必要はきっとあるだろう。

まぁ、競馬界にとっては良いことなんでしょうけどね。ただ、ホッカイドウ競馬は山積みな課題を少しづつ解決していかなくちゃならない。JRAとの関係などという点でなかなか解決するのは難しいなぁと感じますが、どうでしょうか?

2004/6/ 9

武豊はトップを張ってこそ武豊。海外で何かを掴んできて欲しい

今年も夏はヨーロッパに滞在します。 (武豊オフィシャルホームページ)

日本にいてもストレスが溜まるばかりですし、いまの武豊にとってはヨーロッパに行くのいいことですね。

日本で獲れなかったオークスですが、そのウサをアメリカで晴らすチャンスがもらえたわけです。
また、シーキングザダイヤは、7月8日の「ジュライ・カップ」(英国・ニューマーケット競馬場、芝・1200m、GI)に遠征します。これも、もちろんボクの騎乗。

ウサを晴らすとか、もちろんボクの騎乗とか、ストレスが溜まっているよぁ。そう考えると、ダンスインザムードの米国遠征は武豊から見れば嬉しいハズ。やられっぱなしじゃ気分が悪いし。リベンジのチャンスはやってきたって感じですね。ここはきっと勝ってくれるでしょう。

勝つだけじゃなくて、海外で新ユタカ・マジックでも身につけて (何かを掴んで)、武豊をなめている人間をギャフンと言わせてほしい。やっぱり、武豊がトップを張ってこそ、他の騎手たちとの間に張り合いが生まれ、競馬が面白くなると。そうして、武豊をGIであまり買わない俺はつぶやく、「武豊はやっぱすげーわ」と。

何度も言うけど、武豊はトップを張ってこそ武豊。秋にはアンカツにリベンジですよ。

Byjan at 23:32 / Category: 騎手 / /2823 Comments /82 TrackBack

2004/6/ 8

アンカツを褒めすぎるのは危険なんじゃないか?

安田記念、ツルマルボーイ差し切り (netkeiba.com)
【安田記念】~レース後のコメント (ラジオNIKKEI | 競馬実況ホームページ)

ツルマルボーイのファン、関係者の皆さん、おめでとうございます。勝ってみれば当然の結果だったという声もありそうですが、マイル実績と馬場状態を考えると難しかったという風に思うのが率直な感想です。それに、どの馬が勝ってもおかしくはなかったと思いますし。

さて、本題。アンカツを褒める声が多いけれど、それは少し危険な気がする。たしかに、今年GI4勝目とノリに乗っているイメージがある。ただ、それは裏返せば好不調が激しいということにもなりそう。

安田記念前はアドマイヤドンでフェブラリーS。キングカメハメハでNHKマイルC、日本ダービーと3勝。いずれも1番人気である。これは馬の能力で勝っているとも言えそうだ。ただ、GIではハーツクライ、ザッツザプレンティという比較的良い馬で掲示板に全然届いていないという騎乗もある。

それならば、今回の安田記念はどうだろうか?もちろん、評価はすべきだが、その過程をみることが大切ではないか?アンカツ自身のコメントによれば、

 道中は後方で馬場のいい内側を選択。「あまりに手応えがよくて迷った」という直線入り口では、馬群をさばくことを選び、真ん中を突き抜けた。「末脚に関しては1番だと思っていたし、前さえ開けばという気持ちだった。直線で通ったコースもよりも外だと馬場が悪いし、ギリギリだったんじゃないかな」。完璧なまでに計算し尽くされた騎乗。

勝利ということに関してはこれしかないという計算かもしれないが、大負けもありえる騎乗でもあった。おそらく、その思い切った騎乗がハーツクライの皐月賞、ザッツザプレンティの天皇賞であるはず。負けレースではどういう思惑で乗ったかが、勝った時より伝わらないのが残念だ。

今年、勝利したGIもその思い切った騎乗が関ってきている。アドマイヤドンのフェブラリーSはムチをぎりぎりまで待ち、キングカメハメハの日本ダービーでは4コーナーからぎりぎりの進路をとって一気にスパート。そして、安田記念も馬群が開くのを待つという騎乗。いずれも、思い切った判断をしているのがミソだろう。

安藤勝己というジョッキーは、その計算されたレースっぷりを評価すべきジョッキーではなく、その計算を実行に移す決断力を持っているジョッキーという評価のが正しい。この決断力は諸刃の刃で負けるときは大負けだろう。つまり、次回の騎乗もなくなるというリスクをはらんでいる。そのリスクをとってまでも実行できる決断力が安藤勝己の何よりの武器である。そして、他の騎手にはないものだ。

そう考えると、アンカツという騎手はおれの理想の騎手像なのかもしれない。勝利をストイックに追求するという。・・・あぁ、おれも褒めすぎているよ。

強引に評価を落とすなら、何が何でも勝たせる騎手ではないし、負けるときは案外にもろい。つまり、一か八かの騎乗。そんな騎手を軸には買えないよなぁ。…けっこう無理っぽい?誰か、天邪鬼にアンカツをみてくれないですかねぇ?

2004/6/ 6

中京12レース

ネットサーフィン(死語だろうなぁ)すれば十分言いたいことが書いてあるから、書く必要もないなぁとか思ってサボってました。更新してないときはそう思って、My Blog Listでも回ってください。

さて、安田記念。安田記念はグリーンベルトの要素をどうみるかというのが難しい。内枠先行有利、グリーンベルトには4頭まで、明日は雨だからなど、混乱して、さらにファインモーションは前から後ろから?やるだけ無駄な気がするので、予想はしないでレースを楽しもうということにしました。そこで、気分一新、ダートを予想しようかと。予想すると言ったって本命を一つあげて複勝を買うわけなんですが。

どのレースにしようかな?神様の言うとおり。お、中京12レースですね(テキトーに選んだ)。じゃあ、インターマーベラスで。秋山騎手は積極的なレースをするほうだと俺は感じている。積極的に逃げる馬が少なくスローペースも考えられる中京12レース。こういう展開でこそ秋山騎手を買うチャンス。インターマーベラスの人気具合がいまいちつかめないけど、荒れそうなので2倍はいけるはず。

中京12レース
7枠14番インターマーベラス 複勝100

17:00追記
中京12レース結果↓

7枠14番インターマーベラス 4着
的中率0%
回収率0%

秋山騎手が積極的なレースをしたのは愛知杯だった。わりと自信があったんだけどなぁ。予想を書くとろくに当たらない。うーん。どうしようか?

2004/6/ 3

東京ではレースしたくないって言ってるんじゃない?

日本ダービー後で故障が相次いでいる。これって何とかしないと、ジャパンカップにやってくる外国馬の減少につながるんじゃない?去年のレースを見ても、

※「TOKYOってところの芝は変らしいな」
※「そうなんだ。去年のジャパンカップに出走させたんだが、芝は最悪さ」
※「そうなのか。なんでも、ジャパンダービーで故障だらけって聞いてさ」
※「やっぱりか。あの芝じゃしょうがないさ」
※「うちにも、いい馬がいてジャパンに行くか迷ってるんだが、故障はカンベンだぜ」
※「あぁやめとけよ。TOKYOの芝は特別だし厳しいよ」

外国の馬主や調教師の間で、そんな会話がされててもおかしくない。何が言いたいかというと、ジャパンカップは他の競馬場でやったらということ。最終開催日で盛り上げたいってのはわかるけど、日本ダービーでの故障と重なってイメージが悪くなってるんじゃないかなぁ?中山の初日にやるほうが外国産馬が集まる気がするんだけどなぁ。2002年の中山でのレースは面白かったし。事実、外国馬が勝っていて来やすい気がする。それに比較的、小回りのコースってのが魅力的かなぁと。ずっと東京でやるんだろうけど、今回の故障を引き金にレース自体のレベル低下をもたらさないようにJRAには頑張って欲しいですね。

Byjan at 17:00 / Category: JRA / /4 Comments /8 TrackBack

2004/6/ 1

フェアプレーですか?

 4角でコスモバルクが外にふくれるように回ったとき、カメハメハの外のハイアーゲームは、カメハメハの進路をふさがなかった。最後は力負けで失速したが、荒っぽいレースの中、蛯名騎手はフェアプレーを守った。

柏木集保氏がどういう意図で書いたかは別として、蛯名騎手の進路を譲ることに対する記事が無かったので載せました。正直、この蛯名の騎乗をみて思ったのが、これってフェアプレーなんですか?いや、フェアプレーかもしれないですが、褒めるものじゃないでしょ?色々コメントを見ると、自分の馬に自信があったのかもしれないけど、正しいとは思わない。そういうことは1番人気の馬がやることであって、相手が1番人気なら、なおさら進路は譲っちゃいけない。 (1番人気ならやっても良いとは思わないけど)

力対力の勝負で勝つのが正義みたいな風潮がどこかしらにあって、勝ち方が求められているけど、そこはこだわる部分ではない。勝利にこだわるべきでしょ。競馬ファンがあーだこーだ言う分にはいいかもしれないけど、勝利を追求すべき騎手がそうなったらいけない。もう少し、貪欲に勝利を求めてほしいんだよなぁ。

3着 17番ハイアーゲーム(蛯名正義騎手) 「頑張って好勝負しているんだけどなあ…。ただここに間に合ったんだから良しとしないとねえ。能力も高いし、秋は頑張りますよ。勝てないなあ、ダービーは。」

これじゃ勝てないよって突っ込むのはなしですかね?違う騎手が乗っていたら、違う結果が出たと言っても言いすぎじゃないでしょ?

Byjan at 03:37 / Category: 騎手 / /2 Comments /9 TrackBack